今回の作品はダンボールの棺桶を自分の写真でアートに飾った「コフィン・コラージュ」です(「コフィン」=「棺」)。
作製に至るには理由があります。私自身、三年前に母を亡くし、また還暦間近になり訃報を聞くことも増えてきました。そうした際にいつも思うのが「もっと親孝行しておけば」「もっとなにか彼(彼女)にできることがあったのではないか」という、後悔の気持ちでした。
ですが、もし自分が見送られるときのことを考えると、自分が亡くなったときに娘や息子、それに友達みんなにそんな思いをさせたいかといえば「それは違う」と思うのです。私はみんなに後悔をさせたくありません。
だからこそ「私は本当に幸せな一生でした。なんの心配もいらんよ。」というメッセージをお棺から全力で発信することで、葬儀や弔問に来てくれた人たちを安心させたいです。そのために笑顔で弾けた写真を集めて幸せオーラをいっぱいに放つお棺を作りました。
「偲ぶ」気持ちが大切です。お墓や仏壇の大げさな形でなく、もっと手軽に、なおかつ親しみを持てる「偲ぶための一品」を作ってみました。これなら家の中のちょっとした場所に飾って日々手を合わせられます。また、パソコンやスマートフォンの「偲ぶための一品」アプリもリリース予定です。
骨壷も最近は家に保管されている方も多いです。そのため骨壷も故人を偲ぶ品として定着しつつありますが、そのままだとどうしても簡素です。そこで故人の写真や可愛い絵で壷を飾り、より親近感が湧くようにしています。
また今回は、棺についてはダンボール素材、また骨壷についてもやがて土に還るエコ壷と、どちらも環境に優しいものを利用させていただきました。アートとエコの両立を目指しました。
デザインフェスタ終了後、出展作品を下記の表参道のエコ棺ショールームにて公開中です。
・エコ棺ショールーム
東京都港区西麻布2-26-5 ウィルライフ
来場予約の電話番号:03-6861-3355
当日はおかげさまで大盛況となり、高校生からご長老まで入れ替わり立ちかわり色んな人がブースを訪れてくれました。
どの世代の方にも作品を通して偲ぶ気持ちを伝えることができました。
棺桶に入れる入管体験も人気で、日本はもちろん海外の人も大喜びで入ってくれたりと本当に賑やかでした。
また高校の同級生で「飛んでイスタンブール」で有名な歌手の庄野真代さんも来てくれてすごく嬉しい一日となりました。
詳しい様子はABCネットのブログでご報告していますのでぜひご覧ください。
・東京ビッグサイト・デザインフェスタのご報告 - ABCネットブログ
デザインフェスタで好評をいただいたおかげもあり、今度は9月にフランスのパリで開催される世界的にも有名なインテリア&デザイン関連見本市「メゾン・エ・オブジェ2013」に作品を出展できることとなりました。
フランスでは近年火葬が増えて、故人の骨を骨壷に保存する人も40%に上り、暖炉の上に飾られることが多いそうです。
そうした点も考慮し、デザインフェスタでは棺桶へのコラージュに注力していましたが、メゾン・エ・オブジェでは今度は骨壷に焦点を絞って作品もあらためて一から新しいものを作る予定です。
詳細が決まりましたら、またあらためてご案内いたします。
2013年は神戸・大阪・東京それぞれの都市のアート関連イベントに参加しました。
神戸・文具博
盛況のうちに終了しました。ありがとうございます。イベントのご報告記事はこちら
大阪キタヤード・アートフェスティバル
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デザインフェスタ vol.37
盛況のうちに終了しました。ありがとうございます。イベントのご報告記事はこちら